今回もプログラミングをいったん脇に置いて
経営うんちく的な事をだらだらと書いていきたいと思ってます。
最近特に勉強している「インサイト」という分野。
今、熱い広告キーワード、インサイトとは
本でこの概念を知ってから、なんとかもっと
インサイトについて理解を深めたいと思ってました。
そんな中、自分の意識に引っかかったCMがあるので、
それを考察してみたいと。
東京モード学園のCMが実に興味深い
たまたま目にした時になんとなく意識に残りました。
ここでうだうだやっててもしょうがないので、
まずは見て頂きましょう。
CMってどうしても、ぼんやり見るもんですよね。
その中で意識に入ってきたという事は、何かあるのではないかと。
コピーは、短くすると、
「嫌なことからは逃げちゃいましょう。
でも、好きなことは死んでも離すな」
というものになっています。
CMのターゲットは誰か?
このCMで東京モード学園は「誰に」どんな行動を
取ってほしいのでしょうか?
まずは、東京モード学園は専門学校なので、ターゲットは
これからの進路を考え始める高校生〜20代前半くらいまでになります。
17歳〜23歳ってとこでしょうか。
どんな行動を取ってほしいのか
ずばり、学校見学&入学願書の提出です。
専門学校なので、生徒を集める事が売上に繋がります。
「好きなことは死んでも離すな」の意味
専門学校を取り巻く状況について考えてみましょう。
専門学校のライバルとは何でしょうか。
そうです。ターゲットが丸かぶりする、私立、国立を含めた
各地域の大学です。
大学に行くのか、専門学校に行くのか
ここが、キモの部分では無いでしょうか?
高校卒業後の進路については、大学の方が
周囲に納得されやすい風潮はまだ強いです。
特に費用負担を肉親に頼る場合はその傾向は
強まります。
ようやく書けるインサイト
進路に悩める18歳の脳内をご自身の頭にインストールしてみましょう。
あなたが、ユタ的な能力の持ち主なら、そっちの方法でも構いません。
ともかく想像してみましょう。
専門学校に行きたくて悩んでいる青年です。
「本当は専門学校に行って、好きなファッションだけ勉強したいけど、
お母さんに反対されてるしなぁ〜ここは波風立てずに、大学に、、、」
「でもなぁ〜大学で興味の無い、一般教養とか、外国語の授業
なんて、、、やりたくないなぁ、、、う〜〜〜〜ん。でもなぁ
大学の方が無難なのかなぁ」
こんな感じでは無いでしょうか。
インサイトとしては、
「人生の岐路で大学ではなく専門学校を選ぶ、強い動機付けが欲しい」
という事になります。
インサイト⇒CMに昇華
このインサイトを突くためのCMを考えてみましょう。
東京モード学園は、様々な専門分野があるようで、
ファッション、ビジネス、美容師、インテリア、グラフィックなどが
あります。
人生の岐路で専門学校を選んでもらうためのCMとしては、
特定の業界の状況を紹介し、「今後伸びていく業界です。」
とか、「しっかりとした収入のある業界です。」とか
いうメッセージを伝えていく手もあるかもしれません。
いわゆる、論理的にメリットを訴えていくという手法です。
しかし、東京モード学園の場合、コースも多岐に渡るため、
個別の業界について語るのは、難しいです。ファッションとグラフィックって
全然業界違いますから(^_^;)。
感情を揺さぶってインサイトを突く
ここで、論理的にメリットを訴えていく手法と対極の方法、
感情面に訴えるという手法を考えます。
インサイトのおさらいをすると、
※あくまで専門学校に行きたくて悩んでいる、
専門学校からしたら、お客さん(生徒)になる一歩手前の層
①大学を選んだ方が周囲は納得する
②大学で興味の無い分野まで勉強
したくない
③強い動機付けが無いと専門学校に決められない。
とゆ〜事でした。
そこで、このCMです。
「嫌な事から逃げちゃいましょう」で、まずインサイトをえぐる
このコピーの最初の部分は、大学で普通科目を学ぶ事
や、専門学校を諦めて就職しようとしているターゲットの
インサイトをえぐります。
あ、嫌な事から逃げてもいいんだ。と思った時に本当に好きな事、
やりたい事を考え始めるのではないかと。
「好きな事は死んでも離すな」でインサイトを2度えぐる
前段のキャッチコピーで準備をした後、このコピーで
インサイトをさらにえぐります。
「そうだ!俺はやっぱり好きなファッションが勉強したいんだ!
死んでも離すもんか!」という感情にする事がCMの目的になります。
感情面を揺さぶる事で、強い動機付けを生み、迷っているターゲットに
次の行動を促す事ができます。
大学VS専門学校の軸だけでPRしていいのか?
このCMでは、東京モード学園が他の専門学校と
違う点や、特徴について、全く語っていません。
つまり、他の専門学校よりうちの方がいいよという
PRはしてないという事です。
どこをPRするかは、業界やインサイト次第
やっぱりこれが真理では無いでしょうか?
例えば、想像を飛躍させて、、、
「大体の高校生は黙っててもなんらかの専門学校に行くのが当たり前」
の世の中だったらどうでしょう?
だとしたら、
他の専門学校よりうちの方がいいよというCMになると思いませんか?
しかし、業界の現状として、
多様な選択肢がある中で専門学校に行こうというCMになるのは
PRの方向性として正しいと思います。
インサイトをえぐった時点でブランド価値まで上がる
このCMでインサイトをえぐった事で、大学か専門学校かで迷っている
青年が、「よし好きな事を学ぼう!」となったとします。
次に、「じゃあどこの専門学校にしようか」という流れになります。
その時に、東京モード学園が選択肢に入りやすくなると思いませんか?
意識を変えるきっかけとなったCMの企業は好意度が上がっている状況です。
そのまま購入の選択肢グループに入ってきます。
もっと深くインサイトを検証する
これまで、仮説を元にインサイトとPRについて
考察してきました。ここからは、さらに深く消費者を理解
するためにもっとインサイトを掘り下げてみます。
いったん商品から離れてみる
嘘みたいなホントの話で、インサイトを見つける
ためにはいったん商品から離れてみる事も大事です。
この本に載ってました。
インサイト 消費者が思わず動く心のホットボタン
そこで、ターゲットの感情をもっと深く読み解くのです。
考察したインサイトは、
「人生の岐路で大学ではなく専門学校を選ぶ、強い動機付けが欲しい」
というものでした。
では、なぜ人生の岐路で必要な動機付けとはそもそもなんでしょうか?
ざっと考えてみると、下のような内容になりました。
関連しそうなキーワードをざっと挙げてみます。
・ロマン
・夢を追う
・リスクを取る
・やりたい事
・先輩の叱咤
・ワクワク
どのキーワードが最も近いか
この中で、どのキーワードがターゲットの本音、
いわば響くポイントになるのはどのワードでしょうか?
自分としては、一番最後のワクワクが近いような気が
します。
「好きな事を追う方がワクワクする」こんな補足が
PRにつくことで、より的確にインサイトを突く事が
できるのでは無いでしょうか?
実際にCM上でワクワクを表現している
このワクワク感ですが、実際このCMでも表現されています。
このCMのテイストですね。色使いといい、音楽といい、
ワクワクをテーマにしているように思います。
CMでインサイトをえぐる まとめ
勝手な事をだらだらと書いてきましたが、、、(笑)
当たらずとも遠からずの考察だったと自分では
思ってます。
このブログを書く事で、僕のインサイトへの理解も
多少深まったのかなと。
・CM・キャッチコピーからその会社のターゲットを判断
・どんなインサイトをえぐろうとしているのか考える
こんな生活を続けていけば、もっと鋭い考察ができるように
なると思います。頑張ります。
それでは、また。
東京モード学園
あ、たった今東京モード学園のページを見ましたが、
やはりこのプロモーションに自信を持っているらしく
トップページもこんな感じでした。