ええ、行ってきましたよ、今回も。
上間弁当のセミナーに。休日返上で。前回行ってきたのは、この記事。
借金は悪か。上間弁当さんの経営セミナーに行ってきました。
なんといっても、今回は朝9時に豊見城!
8時から鬼の北谷出発。
夕方までみっちり!
今セミナーの最初の方で、今回もセミナーを受けながら
このブログを書いております。
とりあえず今、上間さんの自己紹介を聞き流しているところです(笑
上間のセミナー。管理会計とは
「かんりかいけい」とは、別名STRAC(ストラック)と言われている、大きな会計の概念から
経営者の管理に必要な部分を切り取った会計の知識です。
税理士さんが顧問についてやる事は、基本的には財務会計です。
税金がいくらになるのか。節税をするにはどうするのか。
毎月の試算表のスコアはどうなっているのか。
これは、会社のステークホルダー(利害関係者)向けの会計です。
税務署、借り入れがあるなら取引銀行。
義務としてまとめなければならない書類を作るための会計です。
管理会計は、経営者自身のための会計
上間さんの主張としては、経営者のための情報を
知るためには、財務会計だと不十分だと。
経営者自信が判断するための管理会計を使ったマネジメントが
必要だという事です。
粗利益とはそもそもなんなのか?
粗利益ってありますよね。「あらり」とか言ったりするあれです。
お弁当屋さんだとして、一個売った時の粗利はいくらでしょうか。
お弁当一個作った時の原価が200円だとします。
400円で売った場合の粗利は、400円ー200円=粗利200円です。
これが粗利です。ここまでは、よくある超基礎のところ。
粗利率は50%ですね。
2つのお弁当屋さんを粗利で切り取る
もう少し、深いところまでいきましょう。
お弁当屋さんが2つあるとします。
同じく400円のお弁当を売っています。月2000個の
お弁当を売っています。
という事は、どちらも売上が一緒になります。
400円×2000個=800,000円
次に粗利率を見てみます。
Aのお弁当屋さんは、粗利率が60%。Bは50%です。
販売額は同じなので、お弁当一つ売ると、儲かる額
が違うという事です。
Aのお弁当屋さんは、60パーなので、400円×60%
=240円が粗利となります。
月の粗利は800,000円×60%で480,000円となります。
Bは一個当たりの粗利が200円。月粗利は400,000円です。
月の粗利が80,000円違ってきます。
粗利率が高いという事は、付加価値が高いという事
「ふーん、Aの方が儲かってると言いたいわけ」で
終わってしまうと、今この駄文を読んでいるあなたの
時間を2分ほど奪ってしまうという、こちらの意図した事
とは違う結果になってしまいます。
「Aのお弁当屋さんの方が、Bのお弁当屋さんより粗利率が高い」
というのは、どういう事でしょうか。
「Aのお弁当屋さんの方が、Bのお弁当屋さんより付加価値を生み出している」
という事です。
付加価値とはなんなのか?
ここを考えてみたいなと。すでに上間さんは、
全然違う事を話してますが(笑)
今ちょうど損益分岐点売上の話をしてますね。
それを左耳で聞きながら、付加価値について考えてみましょう。
付加価値とは、投入したモノに対してどれだけ価値を増やせるかという
考え方です。
先程の例だと、Aの方が同じ400円の弁当を作るのに、
160円ですみます。Bの方は200円かかります。
これは、Aのお弁当屋さんだと、260円の価値の生んでいる。
Bのお弁当屋さんは、200円の価値を生んでいる。
と言い換える事ができます。
これが付加価値です。
付加価値を高めるために試行錯誤するのが経営者
付加価値をいかに高めるか。これが経営者の大きなテーマ
になります。
お弁当屋さんの場合、160円でお弁当を作っている
Aは、200円の価値しか生み出せないとすると、360円のお弁当を
売る事になります。しかし、価格を400円に設定してBと同じ量を
売っている。つまり、40円分の価値を経営努力で埋めているという事です。
お弁当屋さんの付加価値について考える
では、この40円分の付加価値についてより具体的に
考えてみましょう。
Aのお弁当屋さんが160円で400円のお弁当を作れている
事についてです。
Bと比較して、160円で作るために、どのような工夫が考えられる
でしょうか。
①仕入先に対して値下げ圧力を常にかける。同じ量の食材でも安く仕入れている
②使う食材の量を抑える代わりに、腹持ちの良い食材をチョイスした弁当を提供
③そもそも量が少ない弁当を提供。味のクオリティで勝負する
④使う食材のバリエーションを減らして、同じ食材の量を増やす事で
食材の単価を下げる
⑤中華やアジア料理などの競合が少ないお弁当を出し、食材は抑えるが、
希少性で勝負する。
こんなところでしょうか。
①~⑤まで、単独で行う事もできますし、②×⑤など複数を組み合わせる
事もできます。どの手もメリット・デメリットが生じます。
ポイントは選択と工夫をベースにした経営努力という事です。
経営努力によって付加価値を生み出していく、、、。
経営者たるものそうありたいものです、、、(遠い目)
当社の経営に影響を最も与えた利益感度分析
僕の前職は、銀行員でした。なので、会計の知識は元々ある程度は
あったのですが、それでもこのセミナーで初めて聞いたのがこの単語。
利益感度分析です。
早い話が、利益に直結する戦略の中で、どの戦略が一番効率的かを
導くための分析です。
当社は、プログラミングスクールコードの他にお米の卸売業を経営してます。
お米のとけし
なので、平均的なお米卸業を例に実際に分析してみましょう。
数値はこれを使います。
売上 3,000,000,000円
原価 258,000,000円
固定費 42,000,000円
純利益 7,000,000円
当社もこの数値に似たり寄ったりです。
写真が分析の計算式です。
利益÷固定費
7,000,000円÷35,000,000円=20%
利益÷粗利益(販売個数感度)
7,000,000円÷42,000,000円=16%
利益÷変動費(原価率カット感度)
7,000,000円÷258,000,000円=2.7%
利益÷売上(単価アップ感度)
7,000,000円÷300,000,000円=2.3%
数値が一番小さい変数が感度が大きいという事になります。
米卸業の場合、
1|単価のアップ
2|原価のダウン
3|販売個数のアップ
4|固定費のカット
インパクトの大きい順に並んでおります。
この順番を意識するのが大事です。
数値が小さいという事は言い換えると、
ちょっといじるだけで結果がでる変数という事です。
単価を10円とか20円の値上げを通すだけでも
利益へのインパクトが大きいという事になります。
利益感度分析を踏まえての基本戦略
ここで、お米業者の基本戦略をおさらい
していきます。理詰めで考えれば考えるほど、中小企業の米卸業は
この戦略しか選択肢はありません。
市場分析はポーターのファイブフォース分析を中心に行って
ますが、今回は割愛します。
原価率がほとんどアンコントローラブルな事を考えると、
利益を増やしたいと考えた時に、利益感度分析をもとに
いかにお取引先に値上げを納得してもらえるか、がキモになります。
基本戦略
①利益率に常に気を配り、ギリギリの値上げを通していく
②既存先に対して、現場レベルで好印象を持ってもらうために最大の努力をする。
③固定費を積極的にカットする
④ポートフォリオとして、単価と効率性の高い「良い取引先」を獲得していく。
⑤問い合わせを増やすために、HPやFBなどのウェブマーケティングを行う。
⑥個人(経営陣含む)としてのつながりを使った「良い取引先」を獲得する。
こういった事になります。
より日常とタッチの多い戦略として、④があります。
④の単価を下げずに新規先を少しずつ獲得していく事で、利益率の高い
顧客ポートフォリオを組んでいく事ができます。
さらに営業を行う事で、通せる単価をリサーチする事にもなります。
①、②、④については最前線で体を張る、配達員たちのマンパワーが
欠かせません。
配達・営業社員を評価する仕組み~盛岡氏の手法
マンパワーを最大限に引き出すために、今人事評価の仕組みを
改めようとしています。
ノウハウはこの本の仕組みをアレンジしています。
この本は、ここ2年ぐらいに読んだ本の中で、
一番インパクトを受けた本でした。
盛岡さんの本は単純に面白いので、全部読んでます。
しかし、行動に影響を与えたという意味では、この本の意味は
自分にとってとんでもなく大きかったです。
絶対評価と相対評価
人を評価する仕組みとして、よく出てくる議論が相対評価なのか、
絶対評価なのかという話です。僕の場合、中学の出身校が相対評価、
高校の出身校が絶対評価でした。相対評価だと、例えばどんなに頑張って
成果を出しても、評価グループ内の他者がもっと成果を出していれば、
自分の評価は低くなります。
それに対して、絶対評価は評価対象者個人に対して、目標を割り当てます。
その数値と成果を比較し、他者との比較無しで個人の評価が決まります。
、、、どちらが好感が持てますか?
いうまでもなく絶対評価ですよね。
僕もです(笑)せっかく頑張ったのに、他者と比べられて
評価が下がる相対評価よりも、絶対評価の仕組みを取る会社
が多いのもそのためです。
衝撃の相対評価制度
しかし、、しかしですよ。
絶対評価ってすんごい難しいんです。
そもそも「あなたの今年一年の評価5段階評価で2です。」
とかって評価をフィードバックしている会社ってかなり
少数派です。会社員の方は、「たぶん会社から俺はこれぐらいの
評価かな」という漠然とした評価の雰囲気で動いている
事例がほとんどではないでしょうか。
この本で強力に勧めているのが「相対評価制度」です。
評価する事から社員と経営が逃げられない相対評価制度
相対評価制度を行うメリットとして、会社が評価する事から逃げられないという
メリットがあります。
形だけの絶対評価制度ではなく、あらかじめ決めた評価制度に人を落とし込んで
いく事ができます。
やり方を整理すると、
①評価に使う数値を設定する。
②評価グループ内で順位をつける
③順位に応じた年俸を設定する。
この時点で、「う〜んこれは、ハードル高いなぁ、、、」
と思った経営者の方は多いのではないでしょうか?
僕もそう思いまして、一度はこの本を閉じた次第です。
中小企業が盛岡さんの手法を導入するのに行った工夫
しかし数ヶ月後、当社ではこの制度を導入する事に決めました。
そのままでは、当てはまらない部分もあったので、自社なりに
アレンジしています。ハードランディングな部分もあるので、
実際に彼らの給与に評価が影響してくるまで、2年の猶予を取りました。
さらなるポイントは、会社から支払う人件費総和のアップです。
この本では、人件費の総和は変えずに、相対評価で差をつける手法を
勧めています。
しかし、当社としては制度採用に当たり、社員側が受け取るプレッシャー
が大きくなるため、制度採用に当たり、人件費総和をアップしています。
差をつける事が相対評価の本質
人件費総和をアップしてまで、この制度にこだわるのは
差をつける事で社員が緊張感のある状況に置かれる事で
それ以上のプラスがあると考えたからです。
相対評価で3人の評価グループがいた場合、
1位と3位では手取りが4万円ほど違います。
これまでの当社の評価手法だと、60万円を
一人20万円で、3人とも給与が同じ。というスタイルですね。
昇給は、僕の印象でやってました。
今回の制度では、例えば人件費総和を60万円→64万円にアップ。
一位|24万円
二位|21万円
三位|19万円
ポイントは、2位までに入れれば、給与が上がる点です。
上間弁当セミナー|付加価値と利益感度を考える日曜日 まとめ
気づけば過去に無いくらいの長文になってしまいました、、、。
とりあえず、上間さんのセミナーに参加すると、色んな気付きが
あるなぁと。そんな事が書きたかった日曜日でした(笑)
でも、会社の生み出す付加価値の追求、利益感度分析による
戦略の順位づけ。これから導入する盛岡さんの相対評価メソッド、、、。
このへんを自分の備忘録として書いてみました。
この異様に長い長文にお付き合い頂き、ありがとうございました(^^)
それでは、また。