ものすごくありがちなタイトルをつけてみました。
久しぶりにプログラミングの話題を脇に置いて、オススメの
ビジネス書をご紹介するというタイトルの割にシンプルかつよくあるパターンの記事を
書いていきたいです。
僕が度が過ぎるほどのビジネス書オタクである事は、ちょくちょくこのブログで書いてきたの
ですが、満を持してオススメ本5冊をご紹介。
また、本を読んで、「感動した!ええ本やで!」というレベルではなく、
現実世界で僕の「行動を変え、会社の数字に影響を与えた」という本のみを
ご紹介します。
老舗を再生させた十三代がどうしても伝えたい小さな会社の生きる道
いきなり長い名前の本で恐縮です。
著者の中川さんの本は、全部読んだのですが、
この本は会社別の思考錯誤の流れなど、細かく書かれているので
実践的で参考になる部分が多いです。
この本のテーマは、「ブランディング」です。
最近デザインを活用した、ブランディング経営が
注目を集めていますが、
①じゃあブランディングって何から始めればいいの?
②どう進めていけばいいの?
③中小企業でもブランディングってできるの?
④そもそも何でわざわざブランディングするの?
といった気になる問いの答えを出す事ができる本です。
ビジネス本は実際の経営の結果につなげたかどうか
ビジネス本って読んだ後、なにか謎の達成感ありませんか?
読み終わった時点で、既に一躍、富裕層に躍り出たかのような(笑)
僕もそうです。
読むのに集中しちゃうんですよね。で、実際に行動しない事が
多くなるわけです。
でも、貴重な時間を使って本を読むなら、成果につなげてこそ
ですよね。そうですよね?
僕の場合、この本や中川さんの他の本を参考に自社のブランディングに
5年ほど取り組みました。
デザイナーさんとの打ち合わせやネーミングの選別、デザインの
ロジカルな部分などなど、この本のノウハウを使っています。
格好いいロゴはいらないっす~ロゴデザインができるまで~
コードのロゴデザインも↑のような流れで完成に至りました。
また、お米の卸売業の方では、この手法で各マーケティングツールを
作成。
マーケティングとは「組織革命」である。
続いて、森岡毅氏の著書を取り上げたいと思います。
ユニバーサル・スタジオジャパンをV字回復に導いた方です。
森岡さんの著書は全部読んでるうえ、雑誌、メディアの
インタビューは全てチェックしています。
もうファンクラブ作れよというレベルに達したと
自分では思います。
どの本も強いインパクトがありますが、自社で実際に採用した
戦略という意味ではこの本がダントツです。
テーマは「組織の作り方」です。
僕も長年、どんな組織を作ればいいのか
早いもので7年ほど悩み続けてました。持病みたいなもんでした(笑)
が、この本に出会った事で、一気に道が拓けた気します。
マンパワーを最大限引き出す仕組み
当社は、プログラミングスクールの経営以外にも
60年続く、お米の卸売業や不動産、太陽光事業を
運営してます。
お米のとけし
お米の卸売業は、社員各個人のマンパワーが重要に
なってくる事業なので、給与に関わる人事評価をどうするか
という長年の課題がありました。
給与を上げるとパフォーマンスが下がるというジレンマ
お米の配送スタッフは、既存のお客様とのコミュニケーション、配送、
新規取引先の開拓が主な仕事になります。
各ルートを一人で回るので、どうしても管理の目が届かなく
なります。
管理の目が届かなくなるという事は、各個人の適切な目標の設定が
困難になるという事です。
なので、これまでは目標の設定自体をあいまいなままにして、
僕の主観で適当なタイミングで給与UPをおこなっていました。
「やっぱこの方法は違うよな~」と、僕も思いながら
明確な答えを出せませんでした。
この方法の何が問題なのか?
まず、どうやったら給与がアップするかが、不明確。
さらに、給与アップしたという事は、裏返せば
次に給与が上がるのはしばらく先になるという事に
なります。つまり、アップすると逆にやる気が鈍りパフォーマンスが
落ちるというジレンマがありました。
個人のやる気と組織の利害が一致する
人工的な仕組みが必要だと、この本には書かれています。
具体的な答えは、相対評価と年棒制になるのですが、
気になる方は本を読んでみてください(^^)
実際に当社はこの方法を自社なりにアレンジして導入しました。
その後、営業成績はすこぶる好調で、非常に効果的だったと思ってます。
競争の戦略
ここにきて、ハードコアなやつを紹介します(笑)
なんとなく、これまでの2冊なら気軽に読めそうな感じ
しませんでしたか?
ここにきて、古典中の古典をご紹介。巨匠ポーターのデビュー作です。
これがね~ぶっ厚いんですよ。読み手を凹ませてくれる
と言いましょうか。読む気をなくさせる仕様と言いましょうか。
この本を読むきっかけは、ワタミの創業者の方が、雑誌のインタビュー
で、「経営者たるもの、この本を読みこなしてナンボです。」
だいたいこんな事を言ってたように思います。
そこで、早速アマゾンで購入。
だいたい80ページくらい読んだところで、
「難しい!そしてフレームワークの使い方がわからん!」
となり、明確に挫折しました。
経営者が忘れがちな「市場原理」は超大事
しかし、その2年後。経営者を続けていく中で、やはりこの本の
80ページくらいにまでに書かれている事がフラッシュバックしてくる
わけです。「そういえば、このパターン、どこがで見た事ある!
ポーターが言ってたパターンだ!」と。
そこで、もう一度アマゾンで購入。(あまりにもかさばるので、
最初に買った競争の戦略は捨ててやりました(笑))
2年間の経験の蓄積のおかげでしょうか。今度は理解できるようになってました。
この本に書かれているテーマは、まず自社の市場原理を理解する事です。
市場原理の力を理解し、どうすればいいかの定石を知る
ビジネス書って結構あれですよね?万能薬を提示しがち
というか。社員教育さえやれば儲かる!とか、販売の仕組みさえ
作れれば、黒字化できる!とか、そういうの多くないですか?
自分もそういう個別の要素(マーケティング、イノベーション、組織など)
をしっかり考える事が経営者の仕事だと思ってました。
しかし、その前段の、自分の業界がどういうルールで戦っているかを
はっきりと理解する事の方が大切だという事が書かれています。
この視点は目から鱗でした。市場原理は、物理学のようなもの。
このパターンで、この戦略を取ると、市場原理に基づき必ず失敗する。
などと言い切っちゃうところが、ポーターのすごいところです。
競争の戦略の読みこなし方~まずは業界分析をしっかりやってみる~
この本は前述したように、クソ分厚いため、読み方にコツがあります。
あらゆる業界に適用できる本であるため、全部のページが自社に
関係するという事は、ありえません。
最初から、全部読む事を放棄すべきです。
まずは、54ページまでの、業界の構造分析を徹底的にやってみる
事をオススメします。
これだけでも、新しい視点が多く、かなりの時間を要するはず。
それ以降の読み方については、今度別記事でしっかりと解説したいと思います。
マーケティング4.0
今度も巨匠の著書からご紹介。マーケティング4.0です。
「過去の広告手法は、全て消え去った!
お前らは既に時代遅れだ、この旧メディアどもめ!」的な事が
色んなネットリテラシー高い系の人たちが叫んでいる、今日この頃ですが。
それでは、新しいマーケティングって何なんでしょうか。15秒流すだけで
8,000円かかる地元ローカルTVCMをやめて、フェイスブックのページ広告で
地域を沖縄県中頭郡とかに絞って、年齢層を設定し、3日間リーチさせれば、売上
は倍々ゲームで増えていくのでしょうか?
そんな事はないですよね。あくまでネット広告は手段であって、物事の本質では
ないはずです。
スマホが変えた消費行動
四六時中スマホでネットがつながった状態の昨今、
企業はどのようなマーケティングを行えばいいのでしょうか。
本書では、「接続性」、「縦から横」、「人間的性格」、「カンバセーション」
など、聞いた事もなかったようなキーワードが出てきます。
・常にスマホなどで、外部とつながっている接続性のおかげで、情報交流のコストが
下がる。
・そのため、新市場への参入障壁が下がり、協働による製品開発が可能になり、ブランド
構築に要する時間が短縮される。
・人々は、企業が発する広告よりも、薄い横のつながりから得られるカンバセーション
(SNS上の口コミ)などを信用する。
・対面での意外性のあるサービスや仕掛けが、強烈な差別化として、機能しやすい。
だいたいこんな風な事が書かれています。
企業には、人間的性格が求められる時代
新しい時代では、「企業はより人間っぽさが大事」と、コトラーは
言っております。
それらは、身体的魅力、知性、社交性、感情性、人間力、道徳性によって
「友達になりたい」と思われる企業になる事だと。
ちょっとだけ、この辺の事を説明したいと思います。
友達になりたいと思われるための、6つの特性
身体的魅力とは
ブランドの場合、身体的魅力は、すぐれたデザインのロゴや
巧みに構成されたタグライン(キャッチコピー)などのブランド
アイデンティティから生まれます。お店の看板や、ホームページに使用する
写真、パッケージなどのお客様の目にする全ての要素が該当します。
知性とは、、、
知識をもち、アイディアを生み出す姿勢の事だそうです。
テスラなど、革新的な商品を生み出す企業に対して、人は魅力を
感じるという事です。
社交性とは、、、
人間の場合、そりゃ社交性があったほうがいいんだろうけど、、、
企業に置き換えた場合、どうでしょうか?
コトラーは、「高い社交性を持つブランドは、顧客とのカンバセーション
を恐れない」との事です。
顧客の質問に答え、不満を敏感に察知して解決する事です。
SNSなどを使って情報を発信し、顧客間の情報交流を活発にしょうとしています。
カンバセーションを恐れない事が新しいマーケティング
さっきから頻繁に出てくる、「カンバセーション」とはなんでしょうか?
直訳すると、「議論」という意味になるみたいですが、それだと微妙に違います。
この本だと、「批判」や大げさな言い方をすると、「炎上」というニュアンスに
なります。誰にでも好かれようとするのではなく、一部の層に嫌われる事を
受け入れる事。
そうする事で議論や批判が起こり、逆にコアなファンを獲得するとコトラーは言っています。
誰にでも好かれようとするマーケティングや、企業イメージは、カンバセーションが
生まれません。あたり触りの無いイメージで、情報の中に埋もれてしまいます。
マクドナルドは、「嫌いな人」と「好きな人」がネットアンケートで半々になります。
この事実こそが、新しいマーケティングの可能性を示唆しています。
V字回復の経営〜2年で会社を変えられますか
この本は、これまでにご紹介した本とちょっと違います。
著者の三枝さんは、マッキンゼーのコンサルタントとして様々な
会社に乗り込んで実際の経営改革を先導してきた方です。
そこで確立された手法をまとめたビジネス書なのですが、
この本が他と違うところは、小説形式で話が進んでいく点です。
実際に経営改革を進めていくにあたって、どんなステージがあり、
どんな取り組み方があるのかを時系列のストーリーに落とし込んだ本です。
あと、なかなかの表紙ですよね(笑)
ドキドキしながら、読み進められる経営改革の手引き書
経営改革として、どういった手法をとるのか、実際にコンサルした
会社のストーリーが根幹にあります。
実在する大手企業の話であるため、リアルな緊迫感がひしひしと
伝わってくるので、小説感覚で読み進めていけます。
その中で、ビジネス書では浮かび上がってこない、改革への抵抗勢力の出現
など、現場のリアルな困難が巻き起こります。
本の中で出てくるセリフとか、そのまま載せてる感がすごいです(笑)
改革時のリアルな困難の対処法
この本の特徴は経営改革時のリアルな現場での不平や非協力的な
態度を取り上げている点にある事にあります。
さらに、組織のメンバーを改革先導者〜改革抵抗型に分類し、
注意点を取り上げ、ロジカルに人を巻き込んでいく理論があるところです。
経営改革メンバーの選別方法
経営改革のメンバーをどのように選別するのか?
経営改革のメンバーを選別後、どのように育成していくのか?
そうした点にも踏み込んで書かれています。
規模の大きい会社になってくると、トップリーダー一人の指導の
もと改革を進めていくのは難しく、改革メンバーの人選やどうように
プランを練り上げ、実後に移すのかという大きな壁があります。
壁を乗り越えるための、手順や現実に起こり得る困難への対処法が
書かれています。
トップリーダーのハンズオンが必要不可欠
この本の序盤に、経営改革には四人の改革リーダーが必要との
記述があります。
スポンサー役、力のリーダー、智のリーダー、動のリーダーの
四人が揃わない限り、成功を収めることはできない、と。
各々の役割は本を読んでいただくとして、最も重要な
力のリーダーの役割を取り上げたいと思います。
この中で、力のリーダーと言われているこの本の主人公、黒岩の
現場へのハンズオンぶりがとにかく出てきます。
ハンズオンとは、現場へのチェック、管理という意味です。
黒岩は、とにかくしつこく、アグレッシブに現場に介入していきます。
ハンズオンの意識
結構最近は、現場に任せる方針でやっていました。
しかしこの本を読んでからは、行動を変える事にしました。
経営改革って大きな理想を語りながら、スタートしたものの、トップが管理できず
だんだんと誰も行動しなくなり、空中分解してしまう事がとても多いのです。
そうならないためにも、改革を現場まで落とし込むために、徹底的な
ハンズオンが必要だと思い知った次第です。
経営者におすすめのビジネス書5選|まとめ
いかがでしたか?
いずれも僕の行動そのものにすごく良い影響を与えた本でした。
経営者の置かれている状況は千差万別であるため、必ずしもこの記事を
読まれているあなたにこれらの本がマッチしているとは限りません。
しかし「デザインを使って会社をいい感じに見せたいな〜」とか、
「社員をやる気にさせるための仕組みを作れないかな〜」とか、
「ちょっと時間かかるかもだけど、一回自分たちの業界を分析してみよう」とか、
「どうやったら売上がもっと増えるかな〜」とか、
「会社を一気に変化させたいけどどうしたらいいかな〜」とか
思った時に、この本たちを検討されてはいかがでしょうか。
それでは、また。