今回は、プログラミングの事を
テレビの後ろとか換気扇の横とか、とにかく目立たない場所
にいったん置いて、経営うんちく的な事を書きたいと
思います。
大量にビジネス書を読む生活を送っているのですが、
今回ご紹介したい本がこちら
その名も「インサイト~消費者が思わず動く、心のホットボタン~」です。
最近「インサイト」が気になりませんか?
えっ気にならない?そうですか、、、。
インサイトっていうのはですね。消費者が中々さらけ出さない本音の事です。
インサイト〜それは企業活動の基盤~
インサイトってよく言う「ニーズ」とは違うの?
こんな疑問がよぎりませんでしたか?
えっよぎらない?そうですか、、、
ニーズとは「需要」の事で、これも大事です。
ここでいったん新しい商品やサービスが世に出る時の事を想像しましょう。
新しい商品が世に出る時はニーズが起点になります。
「世の中にはこういう商品を求めている人たちがいるはず」と誰かが予想するのです。
シリアルで分かるニーズ⇒インサイト
この辺をシリアルで説明したいと思います。
シリアルってありますよね。
朝に食べるイメージのアレです。
そう。こんなやつ。
これを世の中に一番最初に出す時を想像します。
ある日誰かがこう思いつくわけです。
「朝って割と忙しい家族多いよな、、、。はっ!牛乳やヨーグルトを
かければ手軽に朝食になる食べ物は需要があるのではっ!」
これがニーズです。正確にはニーズの予想です。
で、これを会議でもむわけです。
「うーん良いアイディアだ。どう考えても世のお母さん
たちは、忙しい。よーし!スーパーに置いてもらって
じゃんじゃん売ろう!
CMも忙しく朝準備して、遅刻する家族とさっそうと
会社に出勤するキャリアウーマンの対比を流して、最後
商品名ドーン!これで新しいマーケットができるぞ!
やった!」
と、こうなるわけです。
そこから先の世界こそインサイト
、、、、。現実はそう甘くないんですよね~。
首をかしげるわけです。
「あれ?なんだか売れないなぁ~なんでだろう?
ニーズは確実にあると思うのだけど、、、」
ここで、
「ま、まぁ、、新しいマーケットだから、見慣れる
までは時間かかるよ、、、」
と考えるのは簡単です。しかし、インサイトはここから
一歩踏み込むための概念と言えるでしょう。
実際にシリアルについて、ターゲットのお母さんに
アンケートなどを行いながら、もっと深くターゲットについて考えます。
そこから、見えてきた隠されていた真実こそインサイトです。
お母さんたちのインサイト
見えてきたインサイトは以下のようなものでした。
「シリアルはポテトチップと形状が似ている。
作り方も油で揚げてるんじゃないかしら」
「体によくなさそう」
「カロリーが高そう」
「自然食品の反対にある商品のイメージ」
「何種類の栄養素があると書いてるけど
本当かなぁ、、」
「お菓子を朝から食べさせるのは母親失格」
、、、、、。中々企業が思ってるようには消費者は
考えてくれないようですね(笑)
しかし、「どう思っているか」を把握した事がとてつもなく大事なのです。
インサイトをどう活用するのか
インサイトが分かったあと、どうすればいいのでしょうか?
次にするべきは、バラバラなインサイトの根っこの部分を
ひねり出す事です。
なぜ「カロリーが高そう」と思われているのか?
なぜ「お菓子」と思われているのか?
なぜを繰り返していくと、だんだん問題の根っこに近づいていきます。
バラバラなインサイトに共通している根っこ部分をキーインサイトと
言います。
調査と考察の結果、シリアルのキーインサイトが判明しました。
それは、「ポテトチップの仲間」と思われている事です。
キーインサイトが全てを決める
ついに判明しました、キーインサイトが。
お母さんたちの頭に勝手に作られてしまったイメージ。
「シリアルはポテトチップの仲間」を頭の中から
消してもらう、そして「朝食に食べていいもの」という
イメージを作ってもらう事こそ問題解決の方法だという事です。
そのため、どんなに莫大な予算をかけてテレビCMを
打ち、「手軽な朝食」を訴えても無駄になってしまいます。
既にお母さん達の頭の中ではポテチの仲間として認定され
ているのですから。
CMだけでなく全てに影響を与えるキーインサイト
それでは、どうするのか。
頭の中のイメージを変えてもらうには、どうしたらいいのか?
解決策はCMではなく、売り場にありました。
当初、シリアルはスーパーのお菓子売り場に置いてました。
そこで、パン売り場の隣へ変更しました。
お菓子から、朝食へイメージの転換を図った事で、
一気にマーケットが出来ました。
「甘いけど、お菓子じゃないんだ!」
「朝食のパンの代わりになる」
「パンと同じくあまり加工してない商品」
「栄養バランスが本当にいいのかも」
このようにイメージを変える事ができました。
インサイトに基づく戦略
インサイトを知る事で、広告を変えるべきなのか
スーパーの売り場という流通サイドを変えるべきなのか、
そういった改善すべきポイントが見えてきます。
ここで注意すべき点が一つ。
いくら消費者のホンネだと言っても、戦略に役立たない
インサイトはインサイトとは言えないという事。
使えるインサイトかチェックする
あなたが、インサイトらしきものを見つけたとします。
それが使えるインサイトなのかどうかを判定できます。
①新しい発見かどうか
②自分のブランドと整合性があるか
③企業活動につながるか
④発想が広がるか
⑤面白いかどうか
企業活動の核になる部分を判断するのに、
「面白いかどうか」が判断基準になっているのが
面白いところです。
他の部署の人間に、
「へえ、消費者はこんなふうに思ってるんだ」
「おもしろい。やってみよう」
と、ならないといけないから事です。
学生向けプログラミングスクールの場合
ここで、このブログを書いているのがプログラミング
スクールの運営者だという事を思い出しましょう(笑)
学生向けのプログラミングスクールを始めた経緯について書きます。
シリアルが世に出たのと同じく、やはりニーズの予想から
スタートしています。ニーズの予想の確度を上げるためには、
毎日の日経新聞による情報収集が必須だと思ってます。。
・プログラミングが小学校から必修化される
・多くの仕事が人口知能に置き換えられる
・今後ますますIT人材が不足する
この3つの事実から、「今後放課後にプログラミングを
習わせたいと考える親御さんは増えていく」と考えたわけです。
これがニーズの予測になります。
ニーズからインサイトへジャンプする
このニーズの予測をきっかけにプログラミングスクールを
スタートしたわけです。当時はインサイトについて考えもしなかった
んですね〜。
そうすると、やっぱり苦戦します(笑)
「あれ?ニーズはあると思ったのに、、、。
中々問い合わせが伸びないなぁ、、。」
となるわけです。
ここで、深い洞察が必要な事がようやくわかるわけです。
そうです。インサイトです。
親御さん達のインサイトを考える
基本的なターゲットを、「中学生・高校生の子供がいる
親御さん」に設定していました。
そのインサイトを考察します。
本当はグループインタビューとか、
アンケートとかで見つけるのですが、スピードが必要
だったので、自分で考えました。
あと、懇意にしているデザイナーさんのアドバイスも
もらいました。
そこで、出てきたのがこちら
・「プログラミング」で何ができるのかわからない。
・誰も最初の生徒にはなりたくない。
・新しい商品のため、比較しようがない。だから相場が分からない。
ここの底流をキーインサイトにすると。。。
「時間とお金をかけるべき分野だと思える材料が欲しい」
になりますね。「メジャー感」とでも言いましょうか。
「プログラミング」で何ができるのかわからない
インサイトを探っている時に、新聞社さんとちょうどやり取り
していました。地元記者の方と記事の内容をやり取りしている際に、
「そもそもプログラミングって何ができるの?」と聞かれました。
そこで、はっ!となりました。
「新聞記者の方でも、プログラミングで何ができるのか知らないのに、
ターゲットの親御さんにピンと来るはず無いのではないか?」と。
そこから、プログラミングで何ができるのか?について
何と言えば伝わるのか考えます。
プログラミングでできる事は多岐に渡ります。
ソフトウェアの開発、アプリの開発、ロボットプログラミングなどなど。
ただバシッと一発で伝わるワードでないと意味が無いと考えました。
それがこちら。
「スマホで動く全てのものは、プログラミングで動いています」です。
このコピーをボトムコピーにして、トップページにコンテンツを
盛り込みました。
このコンテンツを入れ込んでから、問い合わせが急に増えました。
誰も最初の生徒にはなりたくない~行動経済学のエッセンス~
これも大きな気づきになったインサイトです。
きっかけになったのは、この本です。
行動経済学という、割と新しい学問をわかりやすく漫画にした本です。
これまでの経済学は、「人間は合理的に判断する、それが経済をつくる」
という考え方でした。
しかし、行動経済学は、「人間は非合理的な判断をする生き物」という
前提で「それならどういう法則や基準が判断に影響するのか」という
事を掘り下げた学問です。
その中で、「人は得よりも損の方が2倍重く考える」という法則が
登場します。
ジャンケンで勝ったら2万円もらえる。負けたら1万円取られる。
という条件じゃないとジャンケンしないと考える人が多いのです。
つまり、新しい実績の無いスクールに入って損しないかしら。
と考えるという事です。これをもっと深く洞察したのが、
誰も最初の生徒にはなりたくないでした。
もっと言うなら、現在生徒がいるなら、どんな生徒がいるのか具体的に
知りたいのです。
そのため、ホームページの「よくある質問」に一定数の生徒さんが
既にいる事を伝える事にしました。
ただ、今書きながら思ったのは、重要なインサイトなので
トップページにもそれが伝わるコンテンツを入れ込むべきだと
思いました。今後検討していきます。
新しい商品のため、比較しようがない。そのため相場がわからない。
これも上のヘンテコノミクスから得た気づきでした。
「買うか買わないかという選択肢しかないと、人は
買うという行為を保留しやすい」
という法則が出てきます。新しい商品やサービスだと
よく陥りやすい事象のようです。
ライバルの商品が生まれて、マーケットが盛り上がらないと
消費者も買いづらいという事です。
その解決策として、「自分でライバルを生み出す」という
手法が登場します。
新しい商品の場合、その商品の上位機種を発売します。
そうする事で比較対象ができ、逆に普通ランクの商品が
売れるようになります。
当スクールの場合も、スタンダードコースしかないラインナップから
フルスタックコース、ライトコースを用意する事で
お問い合わせの増加につながりました。
今熱い広告キーワード、インサイトまとめ
いかがでしたか?インサイトって知れば知るほど
奥が深くて、大事だとゆ~事がわかったかと思います。
・インサイトは心のホットボタン
・インサイトは簡単に見つからない
・インサイトを見つける事で芯を捉えた企業活動ができるようになる。
こんなところでしょうか?
インサイトは一つではなく、複数あります。
上手く自社にハマるインサイトを発見し、効率的な企業活動
を行いたいもんですね(^^)
それでは、また。あ、続きも書いてます。
「好きな事は死んでも離すな」でインサイトをえぐる