だいぶブログが滞っておりました。
なんか2ヶ月ほど異様に忙しかったせいなのか、、。
Wカップのせいなのかはわかりません(笑)
今回はプログラミングを押入れの中に丁寧にしまって
経営うんちく的な事をだらだらと書いていきたいと。
そんな風に思っている黄昏時です。
今回は、最近はまり過ぎてついにはDVDまで購入して
しまったUSJマーケターの盛岡氏をご紹介したいです。
第一話。恐るべきUSJ再生マーケター
USJって知ってますか?ユニバーサルスタジオジャパンの事です。
大阪風に言うと「ユニバ」ってやつです。
話題性もあって、最近はかなり熱いテーマパークですよね。
しかし、ほんの10年前は経営不振のニュースばかりで、全然パッと
しない印象。
「やっぱり日本では、東京ディズニーランド一択なのかな~」という、
そんな空気が確かにあったと思います。
そこで、USJにヘッドハントされたのが、大手化粧品会社でブランドマーケター
をしていた盛岡氏でした。現在は、USJを勇退されて、株式会社 刀という、
コンサルティング会社を経営されています。
USJは、映画好きのためのテーマパーク?
元々、USJは映画に特化したテーマパークでした。
ジョーズのアトラクションやターミネーター、スパイダーマンなどなど。
「映画好き」をターゲットにする事で、テーマパークの大横綱
東京ディズニーランドと差別化しようという事です。
この差別化のため映画ファンをターゲットにするというコンセプトは一見良さそうな気
がしませんか?
トップ企業に対抗するには、差別化が必要だと多くの本で言ってますよね。
そもそもUSJは東京ディズニーランドと戦っているのか?
そもそも戦っているのか?差別化する必要はあるのか?
USJに転職した盛岡氏がはっきりさせようとしたのが
そこの部分でした。
結論からいうと、「戦っていない」です。
東京のディズニーランドと大阪のUSJでは、「交通費3万円の川」
が流れていると。
つまり、「ディズニーとUSJどっちにしようか」という戦いでは
無いという事です。
不必要にターゲットを絞りたくなる病
経営の本を読みあさっていると、差別化の大切さ。ターゲットを絞る
事の大切さがとにかく出てきます。経営者としては、そこに常に意識を
向けたくなりますよね?
しかし、東京よりもはるかに人口の少ない、大阪で、さらに映画ファンを
ターゲットにするという事はさらに見込み客を絞る事になります。
さらに、実際のデータとして日本人は全部のエンターテインメントの中でも
映画を見ている時間は1割しかないのです。残りの時間はマンガ、アニメ、
ゲームをしているのです。
当スクールも実はターゲットを不必要に絞っていた
実はジュニアプログラミングスクールコードも、最初はターゲットを
絞ってました。当スクールの看板には、今でも「中学生・高校生向けプログラミングスクール」
と書かれています。
なぜ、わざわぜ中学生・高校生に絞ったのか?
それは、、、その、、、、。僕が絞りたかったからです(笑)
僕自身が、「ターゲットを絞りたくなる病」だったからだと思います。
不必要にターゲットが狭い事は、スタートして間もなく気づきました。
現状の生徒さんの内訳もそれを如実に物語っています(笑)
USJを世界最高のエンターテインメント・セレクトショップにする
これが盛岡氏が結論づけた、USJの新しい戦略でした。
セレクトショップとは、そのお店のコンセプトに基づいて
選ばれた商品のみ販売するスタイルの事です。
コンセプトは世界最高である事です。
そのため、映画のみではなく、マンガ・ゲーム・アニメなど
多種多様なエンターテインメントのアトラクションを開発して
いくという戦略です。もちろん世界最高でなくてはならないため、
扱うブランドは慎重に決めていきます。
コンセプトだけでは、飯は食えない
そうなんです。コンセプトだけでは飯は食えない。
コンセプトを絵空事で終わらせずに、具体化し、しかもお金に
変えていかなくてはなりません。
盛岡氏は様々なデータの中から、東京ディズニーランドとの
最大の違いは、「家族層の来客数」である事をつきとめました。
映画ファンのためのテーマパークだったために、大人の来客に対して
家族連れの来客がかなり少なかったのです。
コンセプトを実現するための3弾ロケット構想
「世界最高のエンタメセレクトショップ」を実現するため、
収益面でも大きく飛躍させる構想が、3弾ロケット構想です。
1弾目が、家族連れのお客さんを呼び込むための、新エリア
ユニバーサル・ワンダーランドの開発でした。
1つや2つ、子供向けのアトラクションを作るのではなく、
子供向けのアトラクションをまとめて一つのエリアに作る
事で、一気に子供連れでも楽しめるテーマパークという
イメージの転換が期待できます。
2弾目のロケットはホームラン×5本
実はこの3弾ロケット構想は、最後の3弾目を打つために
構築されています。3弾目に対して、盛岡氏は
絶対の自信を持っていました。その根拠は後で書くとして、問題は巨額投資
が必要になる3弾目までに上手に集客を増やし、収益を
しっかり出しながら、最後のロケットに点火するか?
という事です。
そのため、ほとんど投資をせずに、USJの収益を大きく伸ばす
必要があったのです。つまり、お金はないけどお客さんを一気
に増やして利益も取るウルトラCをやってのける必要がありました。
満を持して打ち上げるハリーポッター
そして、最後のロケットがそう、あれです。
ハリーポッターです。あのハリーポッターエリアを作るにあたって
どれぐらい費用がかかると思いますか?
知らないよ((((;゚Д゚))))という気持ちを押し殺して考えてみましょう。
そう、、、、そうです。450億円です。たぶん税抜きです。
当時のUSJの年間の売上が600億円くらいだそうで。
幹部社員たちは大反対だったそうです。アホか!できるか!
の大合唱。3弾目のロケットを外すと、一発で倒産という状況でした。
第2話。確率を支配する恐るべきマーケター
では、なぜそれほどまでにハリーポッターに
自信があったのか?
それは数字の裏付けがあるからです。
盛岡氏は、数字を使った独自のマーケティングノウハウを持っています。
様々なデータから、ハリーポッターエリアを
作る事で、9割以上の確率で数百万人の来場者が
増え、収益を激増させるデータを持っていたのです。
これ、すごくないですか?投資する前に計算式でどれぐらいの
収益が見込めるか数字で答えが出せるのなら、企業が投資を
失敗するケースを極端に減らせるはずです。
かくして、始まった、USJの3弾ロケット構想
この計算式を取り上げるのは別の記事で書くとして、
盛岡氏はデータを元に幹部を説得。ついに3弾ロケット構想が
スタートします。
1弾目のユニバーサル・ワンダーランドのインパクトは凄まじく、
家族連れのお客さんを一気に増やす事に成功しています。
しかし、ここからが一番の難関でした。
2弾目が最大の関門。お金を使わず売上を伸ばせるか
ユニバーサル・ワンダーランドは最初から、あきらかに伸びしろのある
家族連れを集客できるため成功を織り込んでいた事業でした。
最大の問題は2弾目。ハリーポッターが完成するまでの
2年間の間にホームランを打ち続けて大きく利益を出しておく必要がありました。
しかも、新しい大規模アトラクションなどお金がかかる
事業はできません。
絶望的な気がしてきますよね?僕も本読みながら、カイジみたいな話だなぁと(笑)
2弾目ロケットを生み出した、盛岡氏の発想法
こうした極限の状況をどうやって乗り切ったのでしょうか?
そのための盛岡氏の発想法をご紹介します。
①必要な条件を整理する。
②その条件を満たす具体的なアイディアを考える。
、、、、。方法というか、ものすごくシンプルですよね(笑)
ただし、この①でアイディアの条件をものすごく吟味するのが
ポイントです。
条件1・・大人にも子供にもアピールできるもの
条件2・・追加の設備投資予算を使わない。
条件3・・ニュースになりそうな新規性と、既にパークにある資産を活用できる事
この3つの条件を満たす「なぞなぞ」を解いていく感覚です。
なぞなぞの答え。ハロウィン・ホラー・ナイト
2段目のロケットは、実はいっぱいあるのですが、
そこで大ホームランをかっとばしたアイディアを紹介します。
その一つがこれ。ハロウィン・ホラーナイトです。
元々USJはパーク内の狭いエリアで、ゾンビに遭遇するという
イベントをひっそりとやっていたようです。
ひっそりとやっているにも関わらず、ホラー映画から始まった
USJスタッフのメイク技術のおかげで、ゾンビのクオリティーは
もの凄く高いと。そこから閃いたのが、パーク中をゾンビで
埋め尽くすというアイディアです。
いわばパーク中をお化け屋敷にするようなものです。
このアイディアが秀逸なのは、人件費だけで済み、設備に
大きな投資が必要無い事です。
しかも、今まで7万人程度だったハロウィンシーズンを、
40万人まで増やすというとてつもないアイディアとなりました。
ユニバーサルスタジオジャパンを再生した盛岡氏の方法論まとめ
、、、、。2弾ロケットの一つを紹介したところではありますが、、、
すでに現在3390文字目打ったところですので、続きはまた次の記事で
書きたいと思います。まとめると、、、。
・無意味な差別化は自らの首を絞める事になる。
・事業が成立するターゲットの「広さ」が必要。
・アイディアを出す時は、必要な条件を徹底的に吟味する。
こんなところでしょうか。今3500文字を超えましたね(笑)。
長い文章にお付き合い頂きありがとうございます。それでは、また、、、。
と思ったのですが、新聞(地方紙)にこんなのが。
一番左が盛岡氏ですね。
沖縄のテーマパーク構想、、、。ぜひとも実現してほしいところです。
それでは、また。。